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ヒカルとギンガ 


 ウルトラマンギンガ小話。
 ヒカルがギンガと対面したらっていう妄想。ギンガのキャラにあっては120%捏造。
 早く公式でおしゃべりしてくれないかな……!!

 



 礼堂ヒカルは白い空間にいた。
 前後左右上下が全て真っ白で、何もない。
 ここはどこだろう、と思索しようとするのと同時に、目の前に光が生まれた。
 柔らかく、淡い青色の光だ。眩しくはない、優しい光だ。
 光は徐々に人のような形を作り始めたが、ヒカルはそれを特に警戒することもなく眺めていた。僅かに胸がどくりと脈打つのは、わくわくしているからだろうか。
 何故、と自分に問いかければ、なんとなく期待しているからかもしれない。
 そしてその期待は見事に当たる。
「お前……ギンガか?」
 光が溶けるように消え、替わりに金の瞳に赤と銀の体躯、そして光を湛えた腕足胸、額。
 自分がライブする巨人――ウルトラマンギンガの姿に間違いなかった。
 一つ違うところを挙げるとすれば、今目の前にいるのは巨人ではなくて、自分と同じくらいの大きさであるということだろうか。だが、特にヒカルは違和感は覚えなかった。以前、タロウからウルトラ戦士は身体の大きさを自由に変えることができると聞いていたのもあるかもしれない。
「こうやって正面からお前を見るのは初めてだな!」
 つうか俺ってライブしたらこんな姿なんだなあ、とヒカルは感慨深そうにギンガを眺める。タロウやティガとは明らかに異なる、額や胸、手足で光を湛える装飾。白いこの空間でも、しっかりと存在を主張する優しい光だ。
 ヒカルの興味津々な視線に、僅かにギンガが身動いだ。それを見て、お、とヒカルはあちらこちらへ動かしていた視線をギンガの顔に止める。
 ギンガは無表情(そもそもウルトラ戦士の表情は変わらないのだろうか)だが、じろじろ見られるのが居心地が悪かったのだろうと察せる。
「ああ、悪いなギンガ。やっとお前とこうやって会えたからつい嬉しくってさ」
 後ろ頭を掻きながら悪びれば、ギンガは小さく首を傾げた。何故、と問うているように思えて、ヒカルはニカリと笑う。
「だってお前、あれから何回話しかけても何にも答えてくれないだろ? 最近は怪獣も出ないし、なんとなくお前と離れてる感じがしてさ」
 寂しかったんだぜ? と続けてヒカルはギンガに歩み寄る。特にそれを拒絶する風もなかったので、そのままギンガの手を握った。
 思った通り、温かい。
 ギンガは不思議そうにヒカルを見つめる。ヒカルはケラリと笑って、握る手に力を入れた。
「こうやって会えて、触れて、嬉しいぜ相棒!」
 ずっと思っていた。何故、ギンガは戦いの時でしか出てこないのか。タロウのように意志はあるはずなのに、どうして何も話してくれないのか。それとも、話せないのか。ならば何故、話せないのか。
 疑問や質問はたくさんあるが、ヒカルはそれらを全て押しのける。一番伝えたかったことは、すでに無意識に言葉になっていた。
 会いたかった、触れたかった、やっと会えた、なんて嬉しいんだろう!!
 ヒカルのその言葉に、ギンガはやはり不思議そうに佇んでいる。だが、やがてヒカルがそうしたように、おそるおそる力をこめて握り返した。
 まるでヒカルの手を潰さないように、おっかなびっくり、確かめながら。そんなギンガがどうにもおかしくて、ヒカルは思わず笑ってしまう。
 笑うヒカルを不思議そうにギンガは見つめるが、何も言葉にはしない。言葉にはしないけれど、その仕草が、表情(無表情には変わりないのだが何故か表情があるように思えてしまう)が、十分ギンガの感情を伝えてくる。
 無論、ヒカルとしては会話もしたい。相棒と語らいたい。話がしたい。だが。
「まだ、話せないんだろう?」
 問いかければ、ギンガは小さく頷く。その動作に、申し訳なさが滲んでいて思わず苦く笑った。存外、この相棒は分かりやすいのかもしれない。
「いいんだよ、ギンガ。言ってくれたよな? 導いたのは俺の想いの強さだって」
 ギンガが初めて語りかけた、その言葉が。どれほど嬉しかったか。
 本当はもっと話したい。声を聞きたい。でも、その一言があったから。
「だからこれからも導いていくさ」
 そうしたら、いつかお前も話してくれるだろ? 
 そうに笑えば、ギンガが小さく身動ぐ。ヒカルはそれを小さな肯定だと受け取った。

 銀の手が離れていき、顔を上げれば金の瞳と目があった。
「そうか……今回はこれでお別れか」
 離れていく相棒を名残惜しげに、少しだけ寂しそうに、けれど笑ってヒカルは手を振る。
 淡い光が赤と銀の体躯を包み込み、ギンガの姿が見えなくなる。それと同時に、ヒカルの視界もぐにゃりと歪んだ。

「別れではない。私は常に君と共に在る」

 歪む視界と消えていく意識の中で、優しい声が聞こえた気がした。


  
 ぱちりと目が開くと、見慣れたテントが上にあった。
 気怠そうに身体を起こせば、やはり見慣れた教室と、自分の家財が一式。タロウが怪獣の人形と一緒に横に倒れている。どうやら寝ているらしい。時計を見れば、まだ早朝だ。
「あー……夢か」
 せっかく会えたと思ったのにな、と呟きながら寝袋から這い出す。
 そのとき、ぽろりと寝袋から何かが落ちた。落ちたそれを拾い上げれば、思わず笑みがこぼれる。
 ヒカルはギンガスパークをしっかりと手に握ると、その中にいるのかも分からない相棒に語りかけた。
「そっか、お前が会いに来てくれたんだな」
 ありがとよ、相棒。
 スパークが、小さく光ったような気がした。

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