スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

赤と青の兄貴 


 兄弟設定でアーク×ティレル。アーティレほのぼのいちゃいちゃ。
 兄弟設定、設定を描き出したのはいいもののそのままずっと放置しててこれはいかんと。 


「よっ、アーク!!」
 ガシンガシン。思い足音を響かせて、ティレルが緩い坂道を登ってくる。
 アークはその坂を登った先、小さな丘に一本佇んでいる木下に腰を下ろしていた。ティレルと外で会う時は、いつもこの場所である。以前ティレルが変形して散歩していたときに見つけたお気に入りの場所らしい。
 家からそれほど遠くもなく、いつもより高い視点で風景を眺めることができるこの場所はアークも好きだった。
 ガシン、と足音が止む。よいしょ、と声をかけてティレルはアークの隣に腰を下ろした。
「いやー、良い天気だなあ」
 足を放って空を見上げ、視覚センサーに青空と白い雲を捉えたティレルが嬉しそうに音声を零す。アークはそれにコクリと頷いて同意を示した。今日は、とても天気が良い。
「この間な、ドークスたちのとこに行ったんだけどよ、そのときカチスたちもいてさ」
 やっぱりあいつら喧嘩になったんだけどその原因がさあ、と音声を弾ませて他愛のない話を脈絡もなく紡ぐ。それに、アークは相づちをずっと打っていた。聞き流しているわけではなく、そんなことがあったのか、そうだったのか、とティレルの話に聞き入っている。
 話すということを忘れてしまったアークは、聞き役になることしかできない。だが、アーク自身はそれをあまり苦には思っていなかった。少なくとも、相手がティレルのときは。
「んお?」
 昨日マッシヴが転んだ拍子に頭を打って機能停止してしまった話の途中で、アークにそっと肩を抱き寄せられる。ティレルはアイセンサーを何度か瞬き、嬉しそうに綻ばせた。青い体躯を深紅のボディに寄りかからせ、へへっ、と幸せそうに笑う。
 ティレルはその怪力のせいか、自分から抱きつくことはあまりない。兄弟にはよくするらしいが、それは力を目一杯抑えたものだった。それでさえも、弟たちからは悲鳴しか上がらないという。
 まったくこの程度でだらしねえなあ、とボロボロな弟たちに豪快に笑いながらも、その裏では凹んでいるのかもしれない。呑気で大雑把な性格だが、妙に繊細なところもあるのだ。特に、兄弟に対しては。
 世の中なかなか上手く回らないものだ、と以前は思った。多くを受け入れられる広い胸を持つティレルは、その怪力のせいで抱きしめることはできなくて。柔らかく受け止めることができる自分は、胸の装飾がそれを拒絶する。
「あー、やっぱ俺さ、お前にこうしてもらうの好きだわ」
 こてん、とアークの肩に頭を預け、ティレルがほわりと呟く。それに応えるようにティレルの肩に回す手に力を少し込めた。ぎゅ、と青い体を手に収める。 
 今は、世の中はなかなか上手くできてるもんだと感心していた。こんな風にティレルを抱き寄せることができる。
「そういえば、メタビーがよくロクショウをぎゅーって抱きしめてるんだけどな」
 ああいうのもいいけど、俺はこっちの方が好きだなあ。
 なんて、とろりと溶けそうな笑みを浮かべて言うものだから。
「んぉ?」
 ティレルの頬にそっと手を添えて、そのままマスクとマスクと重ね合わせる。自分の額から伸びる角が、彼を傷つけないように顔は傾けた。
 ティレルはアークのそれにくすぐったそうに笑う。そんな、見てる自分もくすぐったくなる笑顔が好きで、見ると幸せで、アークはもう一度キスをした。


――
 言葉なんていらない。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://necropolis372.blog35.fc2.com/tb.php/1030-23238a16

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。