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救われない英雄 


 アニメダ小話。前世の話。超短い。
 ずっと書きかけ放置してたので強引に完結させたったー!



 目の前の彼はもうヨウハクではないのだろう。
 そして自分はもうフェルムではないのだろう。
 あまりにも自分達は変わってしまった。すでにフェルムとヨウハクは死んだのだ。今此処で対峙しているのは、フェルムとヨウハクの形をしたただの人形だ。
 ただの無機物な人形が酷く疲れを感じるのは、そして心に痛みを覚えるのは、もしかしたらまだフェルムが生きている証なのかも知れない。ならば、その死にかけた英雄を殺してやろう。この目の前の人形と共に葬ってやろう。
 腕の銃器を人形の胸へ向ける。白い体はすでに自分に飛びかかろうとしていた。その動きがとてもスローに思え、時間の流れがどこかで滞っているのだろうかと濁った赤い目を見て思う。
 銃弾を発射した。それは白い体を撃ち貫き、ギシリと軋ませて地に伏せる。
 ああ、あっけなかったな。
 自分の中でフェルムが息絶えたのが分かった。
 ああ、終わったんだな。
 空っぽのお粗末な人形劇がやっと終わったのも、分かった。
「なあ、ヨウハク」
 ヨウハクだった人形の、千切れた腕をうっそりと抱きしめる。温もりなどない、無機質なガラクタだ。ああ、この腕に何度自分の身体を刻まれ、潰されたのだろう。すでに遠い記憶になってしまった。
「今度会ったら、また戦おうな」
 また、あの頃のように。魂が震えるような、体中が歓喜で満ちあふれるような、そんな。
 
 ガラクタの腕を地に落とす。それきり、もうそれに目を向けることはなく。
 どろりと濁った灰色の空を見上げ、フェルムだった人形は淀んだ緑のアイセンサーを力なく歪めた。



(そしてまた巡り会えた時の魂の昂ぶりといったら!!)

――
 前世組はバッドエンドでデッドエンドを希望。
 現世で幸せになれてよかったね……!!

 

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