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辛抱たまらなくなってウルトラ小話 


 ゼロとメビウスとレオの小話。
 ゼロの成長が嬉しいレオとそれでもレオに勝てなくて悔しいゼロとそんな2人を見て僕も頑張ろうって思うメビウスの話。

 

「不機嫌そうだね、ゼロ」
 ずかずかと、荒い足取りで廊下をすれ違ったゼロにメビウスは思わず声をかける。
 声をかけられた当人はやはり不機嫌な顔で振り向き、そんなことねーよと吐き捨てた。
 顔と言ってることが矛盾してるよ、と言えばぐぐっと目元に力が入る。自分の気分を指摘されて面白くないのだろうか。だが、そこそこの年月を付き合ってきたメビウスには慣れた反応である。特に臆することもなく、思い当たる節を聞いてみる。
「またレオ兄さんに勝てなかったとか?」
「おっまえは……!!」
 見事に図星だったようで、ゼロはずがずかとメビウスの目の前まで大股で戻ってきた。顔がぐぎぎと力一杯歪んでいるので、どうやら今回はそうとう手痛くやられたようである。
 メビウスがどうどうと力んで震える肩を軽く叩いてやれば、ゼロはもう我慢できんとばかりに吼えた。
「どーして勝てないんだよ!!」
 いっつもいっつもいっつも!! いつまでも!!
 自分は確実に強くなっているハズなのに、どうしても勝てない。しかも以前より強くなっているはずなのに、何故か以前よりこっぴどくやられている気がする。何故だ。どういうことだ。
「俺、強くなってるよな……?」
 吐き出せる限り吐き出した後には、珍しく気弱な言葉まで出てきて。
 メビウスはうーんと腕を組んで考えた。それは多分、ゼロが強くなったからレオも加減しなくなってきたからではないだろうか。
 レオからすれば、それはとても嬉しいことなのではないだろうか。だからついつい力が入りすぎて、結果的にゼロをここまで意気消沈させる程度に叩きのめしてしまったのだろう。
 ゼロはそんな師匠の事情などまったく気づいてなさそうで、どんよりと暗雲を背負っている。そう言えば最近また新たな力を手に入れた、と言っていた。顔つきも以前より凛々しくなっていて、心身共に成長していることがメビウスから見てもよく分かる。それはゼロ自身も感じているのだろう。だから、尚更悔しいのかも知れない。
「じゃあ、諦める?」
 いつまでも暗雲を背負わせていては可哀想なので、メビウスはそれを払う作業に出た。
 ゼロが落ち込んでいるときの対処法は、そこそこに心得ている。負けず嫌いな性格を少しつっついてやれば、ほら。
「んなわけねえだろ!! ぜってー次こそレオに吠え面かかせてやる!!」
 言葉遣いが相変わらず荒いなあ、と思いながらメビウスは「そっか。頑張ってね」と笑った。
 


「レオ兄さん!」
「メビウスか」
 どうした、と深紅の若獅子が呼びかけに応える。昔と変わらず獅子の金眼は力強い輝きを宿しているが、今日はそれが柔らかい。
「レオ兄さん、何か良いことありましたか?」
「む」
 ほんの少しだけ和らいでいた金眼がその言葉ですぐにいつも通りに戻って「あ、ちょっと惜しいことをしたな」とメビウスは思う。だが、その反応を見て自分の予想が当たっていたことを確信した。
「ゼロが悔しがってましたよ」
「……流石に今日はやりすぎたと思っている」
 ばつが悪そうに目を伏せるレオに、メビウスはふふっと笑いながら「でも、嬉しそうですね」と続ける。それに、レオは苦笑気味に頷いた。
「正直、ゼロがあんなに成長していたとは思わなかった」
 久々に組み手をしたら、弟子はずっと成長していて。
 普段は別次元の宇宙を放浪しているので、ゼロがそこで何をしているのかは詳しくは知らない。時々元気に帰ってくればそれでいいと思っている。
 だから、帰ってくる度に確実に成長しているゼロと拳を交わすことが嬉しいのだと。そこは言葉にされなかったけれども、メビウスはレオのその喜びをしっかりと感じ取っていた。
「僕も負けていられませんね」
「久々に組み手でもするか?」
 メビウスの意気込みに応えるように、レオが提案する。その表情は綻んでいた。
 それは、おそらくゼロの前では見せない顔だろう。弟子の前では常に厳しくあろうとする彼のことだから、ゼロはこんな顔を見たことはないに違いない。
 メビウスはそんなレオを見れることが嬉しくて、同時に彼の気持ちに自分も応えたいとゼロに小さく対抗心が芽生えた。
「是非お願いします、レオ兄さん!!」
 かつて、地球を託された時のような。彼の笑顔をまた見たいと思った。

――
 メビ公ってレオにゃんのにっぱり笑顔をゲットしてるんだよなあって。
 「師は常に厳しくあらねばならない!」ってレオにゃんはゼロの前では滅多に笑わないといいよ。

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